診療・運営体制
多職種の医療人が活き活きと働き続けるためには,継続的なキャリア支援,生涯教育,次世代育成活動が必須であり,それらのサポートは岡山大学病院の使命と考えております。ダイバーシティ推進センターは,岡山大学病院のDE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の取り組みを支える組織として2019年に設置されました。女性医療人の支援と男女共同参画の実現を目指し2010年に始動した「MUSCATプロジェクト」の運営母体でもあります。岡山大学病院で働き学ぶすべての教職員と学生が多様性を受容され,様々な立場に合わせた環境を提供されることで,各々が能力を十分発揮でき,よりよい医療の実現と一人ひとりのウェルビーイングに繋がると思います。
センター長
前田 嘉信
活動内容・特色
Mission:多様な能力・価値観の受容と活用を原点とし,働きやすい職場を形成するとともに,全職員の仕事への満足度の向上,ウェルビーイングの改善を目指す。
1.医師の柔軟な勤務体制の構築
岡山大学病院では2007年度に妊娠・育児等により通常勤務が困難な医師を対象として柔軟な勤務が選択可能な「女性医師支援制度」を運用開始しました。その後,利用対象を男性へも拡げ,不妊治療や介護も利用理由として組み込んだ「キャリア支援制度」として継続しています。現在までの本制度利用者は190名を超え,着実な成果を上げています。キャリア支援制度によって岡山大学病院の女性医師の割合は18.4%から26.5%まで増加し,2023年度には,助教10名,講師5名,准教授6名と上位職の人数も増えています。また,大学院博士課程修了者の約2割が本制度利用者であり,学位取得にも寄与しています。
2.相談室の設置
センター内に
「職員と学生のための相談窓口」 PDF を設置し,毎日の就業や学生生活に関する様々な相談事に応じています。専任のキャリアコンサルタントがまずはお話をうかがい,ご相談者の状況に応じて,ご本人の同意を得て医師のコーディネーターや専門家へとお繋ぎしています。
3.次世代育成支援

お子さまの健やかな成長と医療人の勤務の継続を両立するため,様々な子育て支援を行っています。隣接した「ぴおーね保育ルーム」では,岡山市の認可外保育施設として,保育園入園齢に達するまでの期間や小学校や園の急な休校時や土曜の日直時にご利用いただける「一時託児」を実施しています。2022年度からは夜間勤務の方の環境整備の一環で「夜間保育」も本格稼働しています。また,小児発達を専門とする小児科医を講師とした「ペアレントトレーニング」を毎年開催し,発達特性に応じた子育てについて学ぶ機会を提供しています。
4.環境整備
妊娠や出産後等の体調不良時の休憩や,授乳・搾乳が可能なスペースをセンター内に設けています。マタニティ用メディカルウエアのレンタルサービスも行っています。
5.医療者のキャリアアップ支援

育児等で一時的に臨床から離れていた医師らの再教育の場として,最新の医学知識を学ぶためのセミナーやシミュレータを用いたトレーニングを開催しています。
6.医師不足地域への支援
県北部地域等の医師が不足する地域に対し,その地域で診療に従事する医師をプロジェクトリーダーとした支援活動「PIONEプロジェクト」を展開しています。看護職,介護職を対象とした緊急時の初期対応を学ぶトレーニングやFDの実施(地域の指導者育成)を支援しています。
組織図
主な実績
スタッフ紹介