形成外科

科長のご紹介

科長 高成 啓介
専門医 日本形成外科学会専門医
日本形成外科学会指導医
再建・マイクロサージャリー分野指導医
小児形成外科分野指導医
創傷外科専門医
専門分野 形成外科全般,再建外科,小児形成外科

形成外科では,9名の形成外科専門医を含む16名のスタッフで診療を行っております。当院の特徴は,頭頸部再建,乳房再建,整形外科再建など,腫瘍切除後の再建を多く行っており,関係各診療科と密な連携を持ちながらシームレスな治療を行っていることが挙げられます。また,これ以外にも小児先天異常,性同一性障害,リンパ浮腫,血管奇形,外傷など,それぞれに対し専門性をもった医師が対応し,質の高い治療が行えるような体制をとっています。
診療の中では患者さんやご家族とよく話し合い,納得いただけるような治療を提供するよう努めております。お困りのことがあれば,お気軽にご相談ください。
 
 

主な対象疾患

形成外科は生まれつき,あるいはけがやがんなどで変形した身体の異常を,正常に近い形に再建することによって,機能回復と生活の質(QOL)の維持向上を目的とする外科です。具体的には頭頸部がん術後の変形(顔面骨軟部組織の欠損,顔面神経麻痺,放射線後遺症など),性同一性障害(性別適合手術),乳がん術後の変形(一次,二次乳房再建),リンパ浮腫の集学的治療(リンパ管静脈吻合,リンパ節移植,減量手術,理学療法),外傷や腫瘍により失われた手足,顔面の変形,皮膚のひきつれ,血管奇形(血管腫,動静脈奇形,リンパ管腫など),先天異常(唇裂口蓋裂手術,小耳症手術,その他先天的な手足,頭蓋顔面形成手術),眼瞼下垂,睫毛内反などによるまぶた形成術,瘢痕ケロイド,顔面骨骨折,熱傷,潰瘍があります。

 

診療内容と特色

当院ではマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)の技術を得意としており、この技術により複雑な組織の移植が可能になります。癌の切除や外傷により、頭頸部,手足,乳房などの機能や形態が損なわれた際に、患者さんそれぞれの状態に応じた高度な再建手術を行うことで、機能・形態のより良い回復を図っております。
この他、リンパ浮腫においては特殊な画像検査による診断のもと,外科手術(リンパ管静脈吻合,血管付きリンパ節移植,減量手術)と理学療法(リンパドレナージや圧迫療法など)を組み合わせた集学治療を行っております。
性同一性障害(GID)に対する性別適合手術では,精神科,婦人科,泌尿器科と合同で診療にあたっており,GID学会により手術に係る認定施設として認定を受けております。
小児の先天異常においては、より正確な形態評価に基づく3次元的な改善を目指し脳外科,矯正歯科,口腔外科,耳鼻科などと連携し,より高いQOLを目指した治療を行っています。また,Apert症候群やCrouzon病などの非常にまれな疾患に対しても積極的に治療を行っております。
また、体表および軟部組織の血管腫・血管奇形病変に対しては放射線科や周辺医療機関と連携し、外科的・非外科的にかかわらず、総合的な治療を提供しております。


失われた下顎骨に対して,腓骨(すねの骨)を血管付きで移植して再建した状態失われた下顎骨に対して,腓骨(すねの骨)を血管付きで移植して再建した状態


小耳症に対して,自身の肋軟骨を材料とした耳介フレームを作成し,移植することで耳介を再建した状態


小児の頭蓋変形(頭蓋骨縫合早期癒合症)に対して,同年代の標準形態を参考に改善手術を行った状態



人体のリンパ管解剖の研究
出典:Shinaoka A, et al.: Lower-Limb Lymphatic Drainage Pathways and Lymph Nodes: A CT Lymphangiography Cadaver Study. Radiology. 294(1):223-229, 2020


 

研究について

  • リンパ浮腫患者における空気圧式リンパ流促進装置の安全性と初期有効性を確認する単施設非盲検探索的特定臨床研究
 

診療実績

  2019年 2020年 2021年
頭頸部再建関連手術 114 109 108
乳房再建関連手術 123 157 139
四肢再建関連手術 109 90 94
小児先天異常に対する手術 136 134 110
リンパ浮腫に対する手術 72 46 54
性同一性障害に対する手術 64 54 63
その他,診療実績については岡山大学形成外科のホームページを参照ください。
 

スタッフ紹介