◆発表のポイント
- 糖尿病や喫煙などは歯周病の進行のリスクになりますが、「日中のかみしめ」が歯周病の進行に関係するかどうかは不明でした。
- 本研究において、「日中のかみしめ」が歯周病の進行のリスクになることを発見しました。
- 「日中のかみしめ」という新たなリスクを知り、それをコントロールすることで歯周病の進行を抑えることができると考えられます。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授、江國大輔准教授、岡山大学病院咬合・義歯補綴科の加藤聖也医員、および岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔形態学分野の福原瑤子助教らの共同研究グループは、日中のかみしめがあると歯周病が進行しやすいことを世界で初めて発見しました。これらの研究成果は1月23日、ヨーロッパの歯周病専門雑誌「Journal of Clinical Periodontology」に掲載されました。
過度な力が歯にかかると、歯を支える歯ぐきや骨に悪影響を及ぼすことが知られていました。しかし、実際に日中や睡眠時のかみしめ・歯ぎしりがどのくらい歯周病の進行に関わっているのかは不明でした。
本コホート研究結果は、今まで知られていなかった「日中のかみしめ」というリスクを発見したことで、新たな歯周病の予防対策に貢献できる可能性が期待されます。
◆研究者からのひとこと
今回の成果は、加藤先生ら岡山大学大学院医歯薬学総合研究科咬合・有床義歯補綴学分野の研究グループらが行った横断研究の成果があってこそでした。深謝いたします。また、ご協力いただいた参加者の皆様にも深謝いたします。 さて、日中に歯と歯がどのくらい接触しているのか、あるいはかみしめているのかに気が付いていない方が多くいらっしゃいます。運転・家事・パソコン作業・勉強・スマホ操作などの最中にかみしめていないかを気にかける方が増えるといいと思います。 | ![]() 江國准教授 |
■論文情報
論 文 名:Parafunctional masseter muscle activity during waking is related to periodontitis progression: A pilot prospective cohort study
掲 載 紙:Journal of Clinical Periodontology
著 者:Daisuke Ekuni, Seiya Kato, Shigehisa Kawakami, Takayuki Maruyama, Kota Kataoka, Yoko Uchida-Fukuhara, Daiki Fukuhara, Naoki Toyama, Aya Yokoi, Md Monirul Islam, Subrina Binta Khair, Naoki Kodama, Manabu Morita.
D O I:10.1111/jcpe.13432
U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jcpe.13432
<詳しい研究内容について>
日中のかみしめが歯周病の進行のリスクになることを世界で初めて発見~新たなリスクを知ることで歯周病の進行を抑えることに貢献~
<お問い合わせ>
岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科
予防歯科学分野 教授 森田 学
(電話番号)086-235-6712
(FAX)086-235-6714