国立大学法人 岡山大学

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膵臓がん患者の福音となるか!?新しいがん治療用ウイルス製剤OBP-702 第Ⅰ相臨床試験の準備開始

2025年03月27日

◆発表のポイント

  • 新しいがん治療用ウイルス製剤OBP-702を膵臓がん患者さんに投与する第Ⅰ相臨床試験1)の準備を開始します。
  • OBP-702は難治性がんのひとつである膵臓がんに対して治療効果を発揮することが動物実験で確認されています。
  • 本臨床試験はOBP-702の膵臓がんに対する新規治療薬としての承認に向けた第一歩となります。

岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学の黒田新士講師の研究グループは、難治性がんの一つである膵臓がん患者さんを対象に、新しいがん治療用ウイルス製剤OBP-702の安全性と有効性を検証する第Ⅰ相臨床試験の準備を開始することとなりました。
 OBP-702は、先行して開発を進めている第1世代がん治療用アデノウイルス製剤テロメライシン(OBP-301)を改変して作製した第2世代のウイルス製剤で、テロメライシンでは治療効果が乏しい膵臓がんに対しても治療効果を発揮することが、動物実験において確認されています。
本臨床試験は、岡山大学病院と愛媛大学医学部附属病院、国立がん研究センター研究所の3施設で行い(実際の患者さんへの治療は前2施設で実施)、標準治療であるゲムシタビン+ナブパクリタキセルの治療効果が乏しくなった膵臓がん患者さんを対象に、OBP-702を直接膵臓がんに投与し、その安全性と有効性を検証することを目的としています。
 本臨床試験は、OBP-702の膵臓がんを始めとする難治性がんに対する新たな治療薬としての承認に向けた第一歩となります。

◆研究者からひとこと

“はしかでがんが治るって本当!?”
20世紀、はしかなどのウイルス感染がきっかけで、がんが治った、小さくなったという報告が世界中で散見されていました。これが、がん治療用ウイルス製剤開発のきっかけです。抗生剤の一種であるペニシリンが、パンなどに生えるアオカビから発見されたように、人命を救う特効薬開発のヒントは意外と身近にあるのかもしれませんね。

黒田講師

<詳しい研究内容について>
膵臓がん患者の福音となるか!?新しいがん治療用ウイルス製剤OBP-702 第Ⅰ相臨床試験の準備開始


<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院医歯薬学域 消化器外科学
講師 黒田 新士
(電話番号)086-235-7257 (FAX)086-221-8775

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