国立大学法人 岡山大学

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AIを活用したメンタルケアサポートシステムを開発~患者さんとの対話で心に寄り添うAI~

2024年06月25日

◆発表のポイント

  • 患者さんの心理的ケアとして、24時間365日利用可能なAIシステムを開発しました。
  • AIシステムは、患者さんのさまざまな悩みや気持ちに寄り添い、孤独感や不安の軽減を目指します。
  • 医療現場での新たなメンタルケアサポートの選択肢として確立することを目標とします。

 患者さんは治療に伴う身体的な苦痛だけでなく、将来への不安や恐れ、孤独感など、さまざまな心理的ストレスを抱えています。特にがんなどの生命にかかわる疾患と闘う患者さんは、夜間・休日など周りにサポートしてくれる人が少ない時に、不安な気持ちを一人で抱え込んでしまうことがあります。そこで、岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)医療情報化診療支援技術開発講座の長谷井嬢准教授(整形外科)を中心とするチームが開発したのが、AIを用いたメンタルケアサポートシステム(以下、AIシステム)です。このシステムは、患者さんの悩みや不安の訴えに24時間365日寄り添います。
 このAIシステムは、患者さんの心理状態を理解し、共感的な対話を通じて、不安や孤独感を和らげることを目指しており、岡山大学病院小児医療センターと協力して作成されました。この取り組みは、患者さんのメンタルヘルスケアに新たな選択肢を提供するものであり、従来の医療者によるサポートと併用することで、より効果的で包括的なケアが可能になると期待されています。 
 AIを用いたメンタルヘルスケアサポートの病院導入は、全国初となります。

◆研究者からひとこと

患者さんの心に寄り添うAIシステムの開発は、患者さんのQOL(生活の質)向上に貢献できる可能性を秘めた、革新的な取り組みです。私たちは、AIが患者さんの心の支えの一つとなり、治療への前向きな気持ちを引き出すことを目指しています。治療介入するものではなく、気持ちに寄り添うことを目的としていますので、気軽に使っていただきたいです。今後も患者さんのお声に耳を傾け、AIの改善を重ねてまいります。このシステムが、患者さんの心のケアに新たな選択肢を提示し、医療現場に変革をもたらすことを願っています。
長谷井准教授

■研究資金
本研究は、「公益財団法人ウエスコ学術振興財団 学術研究費助成金」の支援を受けて実施しました。

<詳しい研究内容について>
AIを活用したメンタルケアサポートシステムを開発~患者さんとの対話で心に寄り添うAI~


<お問い合わせ>
岡山大学 学術研究院医歯薬学域(医) 
医療情報化診療支援技術開発講座
准教授 長谷井 嬢
(電話番号)086-235-7273

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