腹膜透析・腹膜癒着に対する新細胞治療の開発
2013年11月13日
岡山大学病院の喜多村真治講師(腎臓・内分泌・代謝内科学)、同大大学院医歯薬学総合研究科の槇野博史教授(腎・免疫・内分泌代謝内科学教室)らの研究グループは、腎不全代替療法の一つである腹膜透析に対して、腹膜中皮細胞を選別・細胞移植することにより細胞治療効果が異なることを発見しました。
本研究成果は、2013年9月5日、国際医療工学系の科学雑誌『TISSUE ENGINEERING PART A』に掲載されました。
現在、国民病である慢性腎臓病により慢性腎不全も問題になっていますが、その代替療法の一つである腹膜透析も長期間透析することにより腹膜劣化が問題になっています。その腹膜劣化に対し、腹膜透析排液から非侵襲的に採取できる腹膜中皮細胞を選別することにより、細胞治療効果が異なることが示されました。
今後、本研究成果を元に、腹膜透析や腹膜癒着などの腹膜障害に対し新たな治療開発がなされると期待されます。
<業 績>本研究成果は、2013年9月5日、国際医療工学系の科学雑誌『TISSUE ENGINEERING PART A』に掲載されました。
現在、国民病である慢性腎臓病により慢性腎不全も問題になっていますが、その代替療法の一つである腹膜透析も長期間透析することにより腹膜劣化が問題になっています。その腹膜劣化に対し、腹膜透析排液から非侵襲的に採取できる腹膜中皮細胞を選別することにより、細胞治療効果が異なることが示されました。
今後、本研究成果を元に、腹膜透析や腹膜癒着などの腹膜障害に対し新たな治療開発がなされると期待されます。
岡山大学病院の喜多村真治講師(腎臓・内分泌・代謝内科学)、同大大学院医歯薬学総合研究科の辻憲二大学院生、井上章子大学院生、同大学院慢性腎臓病対策並びに腎・免疫・内分泌代謝内科学教室の槇野博史教授、高知医療センターの堀元直哉医師ら研究グループ6人は、腎不全代替療法の一つである腹膜透析に対して腹膜中皮細胞を選別・細胞移植することにより細胞治療効果が異なることを明らかにしました。
腎臓はお腹の中に二つあるソラマメ状の臓器で、主に尿をつくることにより体の老廃物や水分調整などを行っています。現在、生活習慣の変化により腎臓病も増え、慢性腎臓病は日本で1330万人の患者がいる国民病とも言われています。そのような腎臓病が進むと慢性腎不全といった腎臓の本来の機能が失われ、腎臓代替療法である透析と言った治療が必要になります。
そのような透析も主に二つあり、患者さんの血液を機械できれいにする血液透析とお腹の中に透析液を注排出して透析する腹膜透析があります。その腹膜透析は生活に合わせやすく、透析も自宅でできるといったメリットがありますが、腹部に透析液を入れるため、腹膜機能が劣化するといった合併症が問題になっています。
本研究は、そのような腹膜劣化に対し、腹膜透析排液から非侵襲的に細胞を採取・培養し、その細胞を形態学的・機能的に選別し、各々細胞治療をしたところ、腹膜劣化が抑えられる上皮様腹膜中皮細胞と腹膜劣化が悪化する線維芽様腹膜中皮細胞があることを明らかにしました。
本研究は、今まで有効な治療がなかった腹膜劣化に対する新たな再生医学的な細胞治療の可能性を進めるのみならず、腹膜機能の医学的な見地からも新たな知見と思われます。
<見込まれる成果>
本研究から、今まで有効な治療法のない腹膜劣化に対する再生医学的な細胞治療の可能性を開くことが期待されます。
また、腹膜は腹膜透析のみならず、開腹手術における侵襲での腹膜癒着などの合併症をおさえる可能性も期待されます。
本研究は、日本腎臓財団「若手研究者に対する助成金」ならびに、バクスター・ジャパンPD fund 2008, 2009(100万円)の支援を受けて行われました。
添付資料はこちらをご覧ください
発表論文はこちらからご確認いただけます
発表論文:Kitamura S, Horimoto N, Tsuzi K, Inoue A, Sugiyama H, Makino H.. The selection of peritoneal mesothelial cells is important for cell therapy to prevent peritoneal fibrosis: Tissue Eng Part A. 2013 Sep 5. [Epub ahead of print]

報道発表資料はこちらをご覧ください
<お問い合わせ>
(所属)岡山大学病院
腎蔵・内分泌・代謝内科学 講師
(氏名)喜多村 真治
(電話番号)086-235-7235
(FAX番号)086-222-5214
(URL)https://www.okayama-u.ac.jp/user/med/daisan/