2月16~23日に、本学経済学部はラオスとカンボジアで海外研修( ECBO: Economics Cross-Border studies )を実施しました。本研修には、12人の学生が参加し、現地の大学生や企業、国際支援団体との交流を通じ、教育・経済・社会課題の現状とその解決に向けた取り組みについて学びました。
カンボジアでは王立プノンペン大学を訪問し、日本語を学ぶ学生たちと交流を深めました。その後、プノンペン大学の学生とともに、プノンペンのセントラルマーケットなどを訪問しました。カンボジアは、ポル・ポト政権時代に国民の多くが虐殺され、公教育や産業が徹底的に破壊されました。その影響は現在も残っており、小学校の学習環境の貧困、義務教育段階での中途退学者の多さ、インフラの未整備、政治体制の課題など、社会のさまざまな側面に影を落としています。こうした課題に対する取り組みの一例として、ローゼル・ストーンズ・クメール社の西口三千恵社長より、ビジネスを通じて社会課題を解決する取り組みについて話を伺いました。さらに、シャンティ国際ボランティア会では「教育を受けられないことがもたらす影響」について学び、トゥールスレン虐殺博物館ではカンボジアが歩んだ苦難の歴史を目の当たりにしました。
ラオスでは、ラオス国立大学を訪問し、ソーシャルビジネスのトレーニングワークショップを運営する、株式会社マージオンのワンマニ・チャンニャケム氏とヴィエンサワット・センヤーコン氏から、キャリア形成に関する講義を受けました。両氏は、高校の同級生としてともに学び、日本の高等専門学校および大学を経て、ラオス社会の発展に貢献することを目標に起業しました。講義を通して学生たちは、困難に負けず大きな志をもって進み続けることの重要性を学びました。また、ラオス国立大学の学生やハッケオ学園の生徒との交流を通じて、ラオスの若者が日本をどのように見ているのかを知る貴重な機会となりました。さらに、JICAラオス事務所を訪問し、JICAがラオスに行っている支援内容を通じて、ラオスにおける教育や雇用の現状について理解を深めました。
研修を通じて、学生たちは「教育は国の基盤でありながら、決して当たり前のものではない」ということを実感した様子でした。日本で受けてきた教育が、どれほど恵まれた環境の中で成り立っているのかを痛感するとともに、その学びをどう社会の発展に生かしていくべきか、今後のキャリア形成について深く考える機会となりました。本学経済学部は、今後も実践的な学びの機会を提供し、国際社会で活躍できる人材の育成に努めていきます。
【本件問い合わせ先】
学術研究院社会文化科学学域
准教授 尾関 美喜
TEL:086-251-7555
経済学部の学生がラオスとカンボジアで海外研修を実施
2025年03月10日