研究・イノベーション共創機構産学官連携本部は12月3日、「岡山大学R&D Showcase」を本学創立五十周年記念館にて初開催しました。
本イベントは、これまでの「知恵の見本市」をリニューアルし、研究者や学生が自らの研究成果を発信するとともに、産業界や地域社会との新たな連携を築く場として企画したもので、当日は、学内外から企業関係者など約300人が来場しました。
会場には69のブースが設けられ、本学の研究者や学生、連携企業関係者がそれぞれの研究シーズや取り組みの成果についてポスターや実物を用いて発表し、来場者からは活発な意見や質問が寄せられました。
開会にあたっては、那須保友学長があいさつに立ち、「大学は時に壁が高いと思われがちですが、岡山大学は地域の皆さまにとって身近で相談しやすい存在でありたいと考えています。このイベントはその敷居を下げることを目的の一つにしています。本日、皆さまと大学とのセレンディピティが生み出されることを期待しています」と述べました。
イベント内では、学術研究院社会文化科学学域の西田陽介教授による特別講演「イノベーションと地域活性化を目指す企業経営」が行われ、多くの来場者が聴講しました。西田教授は講演で、イノベーションが地域や企業の成長に不可欠であることを強調。イノベーションを「新しい価値の創造とその利益化」と定義し、企業が変化の激しい市場で競争優位を維持するには、産学官連携や戦略的提携が重要であるとしました。また、地域や企業が連携して活性化に取り組むことが地域ブランドの向上につながるとアドバイスしました。
イベントでは優れた発表に対する来場者投票を実施し、最優秀賞、優秀賞および出展したOU-SPRING学生の中から選ばれた最優秀学生賞を以下の方が受賞しました。
最優秀賞
「トポロジカルクラスタリングに基づく3次元空間認識と自律移動ロボットへの応用」
学術研究院環境生命自然科学学域 戸田 雄一郎 准教授、尾崎 永さん(大学院環境生命自然科学研究科博士前期課程)、西村 響さん(工学部)、加藤 幸長さん(工学部)
優秀賞
「手間いらずの耕作放棄地利用を目指す『野良イネ』の開発」
資源植物科学研究所 山本 敏央 教授
「大規模言語モデル(LLM)を使った自然な対話ができるロボット」
学術研究院ヘルスシステム統合科学学域 中澤 篤志 教授、橋谷 柊哉さん(大学院ヘルスシステム統合科学研究科博士前期課程)、甲 聡太さん(工学部)
最優秀学生賞
「未知の構造を生み出す進化的アルゴリズムによる高周波デバイスの設計と機械学習によるアルゴリズムの高速化」
赤田 拓磨さん(大学院自然科学研究科博士後期課程)
閉会に際して行われた表彰式では、那須学長が目録を授与し、「皆さんの研究は学問的な価値だけでなく、社会や産業界にも大きな意義を持つものです。惜しくも受賞を逃した方々も僅差でした。本日のテーマであるセレンディピティを心にとめながら、今後も研究を進めていってください」と受賞者と参加者全体を激励しました。
参加者からは、「想定以上に幅広く、多くの展示がされていた」、「説明される方々の熱意を感じた」、「岡山大学が地域や地元企業と課題解決していくという意気込みを感じた」などの声が寄せられました。特に企業の方からは、「貴大学のシーズと弊社の技術のコラボレーションによりお客様からの課題・相談事項の解決の糸口を見いだす可能性が強く感じられた。」との感想があるなど、好評をいただきました。
岡山大学 R&D Showcase は、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業・J-PEAKS事業」および「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の一環として開催されました。本イベントをきっかけとして、多様なステークホルダーとのつながりをさらに深め、地域社会や産業界と協力して新たな価値の創出に取り組んでまいります。引き続き、地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。
〇当日掲示したポスターについては、後日研究・イノベーション共創機構にて公開予定です。
〇本学との連携を希望される方、相談などがある方は、以下までお気軽にご連絡ください。また、学内の研究者・学生の方で、産学連携に関心をお持ちの方もご連絡ください。
【本件問い合わせ先】
研究・イノベーション共創機構産学官連携本部
TEL:086-251-8918
Email:co-creation◎adm.okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
岡山大学 R&D Showcase を初開催 ~Community Healthの実現に向け、研究シーズと取り組みを発表~
2024年12月09日