岡山県が設立し、本学が運営する「おかやまデジタルイノベーション創出プラットフォーム」(OI-Start)は10月11日、DXサンライズおかやま(DXSUN)とともに「地域の森林資源の事業性と持続性を高めるDX」をテーマとする勉強会を本学津島キャンパスの創立五十周年記念館で開催しました。この勉強会には、OI-Startの会員をはじめ、自治体関係者、学生、大学教職員など42人が参加しました。
冒頭、OI-Start会長である野上保之学術研究院環境生命自然科学学域教授が開会のあいさつを行った後、多数の林業プロジェクトを実施した実績を持つOI-Start会員企業・株式会社Cキューブ・コンサルティングの重久孝介マネージャーが講演を行いました。
講演では、まず「森林資源とは何か」という問いかけから始まり、森林が提供する「モノ」と「サービス」の多面的な機能について解説。木材やバイオマス燃料、新素材などの生産物としての価値に加え、森林セラピーや観光といったサービスの提供を通じ、森林資源が地域にもたらす広範な可能性について強調しました。
さらに、森林資源の事業性については、木材や特用林産物、ジビエの供給といった「モノの生産」に加え、森林資源を活用したサービス産業が新たな成長分野となることを示唆しました。また、持続的な森林経営のためには、伐採・搬出、造林のプロセスにおけるDXの導入が不可欠であり、データ管理や機械化による効率化の重要性を指摘しました。特に、安価で広範囲をカバーできる通信技術の確立や、新素材開発による森林産業の価値向上を今後の課題として挙げました。
講演の最後には、バイオマス化学や木造都市の推進が、地域の経済発展とサスティナビリティ向上に寄与する可能性があり、DXを活用した森林資源の活用が重要な役割を果たすことが期待されると森林関連産業の将来の展望を語りました。
講演に引き続き行われたディスカッションでは、企業関係者から木材とカーボンニュートラルの関係性について、学生からは若い世代がどのように一次産業に興味を持つかについて質問があり、森林関連産業に関する議論が活発に行われました。
閉会に際しては、阿部匡伸理事(デジタルトランスフォーメーション・グリーントランスフォーメーション担当)・上席副学長が、「これからも皆さんとともに林業の付加価値を高め、新しい価値を創造していきたい」とあいさつしました。OI-Startでは、今後も会員企業と大学の研究者・学生との交流の機会を多数設ける予定です。岡山県内でイノベーションに挑む企業や研究者の方は、ぜひご入会をご検討ください。入会希望の方はこちらからお手続きいただけます。
○DXサンライズおかやま(DXSUN)について
DXSUNは、岡山県内の中小企業を支援するために、DXに向けたビジョン構築やデジタル人材の育成を目的として、岡山県内企業や支援機関11社により2023年7月に発足しました。DXSUNは、各社や支援機関が持つ強みを生かし、「新たな価値創造」を支援します。また、本学と連携し、企業の実態に基づいたリスキリングの仕組みを整備することで、デジタル人材の育成も行います。これにより、県内中小企業のDX推進と業種を超えた価値創造を目指しています。
○ OI-Startについて
OI-Startは、本学が事務局となり、地域企業や自治体と連携して新しい事業や地域社会の発展を目指すプラットフォームです。企業のニーズに応じた研究開発や、学生・研究者との交流を通じて、産学連携を促進し、イノベーションの創出を目指しています。
【お問い合わせ先】
OI-Start事務局
TEL: 080-7178-7277、090-7185-8436
E-mail: oi-start◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
「地域の森林資源の事業性と持続性を高めるDX」をテーマとした勉強会を開催
2024年10月22日