本学の学術研究院ヘルスシステム統合科学学域認知神経科学分野の楊家家教授が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和6年「脳神経科学統合プログラム(個別重点研究課題)」領域2(ヒト高次脳機能のダイナミクス解明)に採択され、7月19日にAMEDのホームページに掲載されました。
本事業は、基礎と臨床の連携やアカデミアと産業界の連携の強化により、これまでの革新技術・研究基盤の成果を発展させ、脳のメカニズム解明等を進めるとともに、数理モデルの研究基盤(デジタル脳)を整備し、認知症等の脳神経疾患の画期的な診断・治療・創薬等シーズの研究開発を推進します。
楊教授は領域2(ヒト高次脳機能のダイナミクス解明)の公募区分において、「神経生理学とレイヤーfMRI技術の融合による超階層な脳機能ダイナミクス計測法の開発」という研究開発課題名のもと申請・採択され、令和6~8年度までの3年間、研究開発代表者(チームリーダー)として研究チームを率いることになりました。
今回の採択を受けて、楊教授は「我々の脳は、膨大な数の神経細胞が多段階の階層構造をもつ複雑な生体情報処理システムであり、知覚・認知・判断などのさまざまな脳機能をつかさどる中枢となっています。各階層における神経回路の破綻は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病(PD)などの神経疾患を引き起こし、日常生活に支障をきたすことが知られています。今、ヒトの高次脳機能の理解と神経疾患の病態解明には、脳機能ダイナミクスを広範囲かつ精密に調べる皮質層から全脳にわたる超階層的な計測方法の開発が求められています。私たちはこれまでの研究で開発したヒト対象の7テスラ超高磁場レイヤーfMRI(機能的磁気共鳴画像法)技術を小型霊長類マーモセットへ展開し、それを神経生理学と融合させ、超階層な脳機能ダイナミクス計測法の開発を目指します」とコメント。3年間の研究活動に意欲をみせました。
本学では研究分野における「最重点研究分野」を定めており、そのひとつにヘルスケア分野があります。また本学が採択を受けている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)でも社会変革を起こし、ヘルスケアを含めたウェルビーイングの向上等を戦略的に進めています。さらに楊教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「創発的研究支援事業」にも採択されており、本学の最重点研究分野を精力的に牽引する秀逸な若手研究者を代表するひとりです。引き続き、楊教授と地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。
【本件問い合わせ先】
学術研究院ヘルスシステム統合科学学域
認知神経科学分野 教授 楊家家
E-mail:yang◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください
認知神経科学分野HP
楊家家教授(ヘルスシステム統合科学学域)がAMED「令和6年脳神経科学統合プログラム(個別重点研究課題)」に採択
2024年09月03日