本学技術統括監理本部を構成する組織のひとつである総合技術部は、高度技術職員養成のために開講しているTCカレッジ「医工系コース」※の必修カリキュラムである「生物系各種光学顕微鏡(基礎)」を7月17日に本学鹿田キャンパスにおいて、座学と実習を対面&オンラインのハイブリッド形式で開催しました。
本カリキュラムは、生物系各種光学顕微鏡におけるさまざまな試料の観察方法・知識を学び、また実際に顕微鏡を分解して組み立てることにより、顕微鏡の構造原理を理解することで、研究臨床現場の研究者へのパートナーとしての協働者育成に繋げていくことなどを目指しています。
開催にあたり、医工系コース担当の同部医学系技術課の阿部匡史課長からあいさつがあり、その後、講師の株式会社大熊マーケティング部営業支援グループの竹下慎一課長から講義が行われました。対面では本学よりTCカレッジ医工系コースの植木英雄技術専門職員と物質分析系コースの北條優子技術専門職員が参加し、オンラインでは学外から他コースの受講生3人、他コース担当1人が参加。講義後には、講師と受講生(オンライン含め)の活発な意見交換が行われました。
今回の受講について植木技術専門職員は「普段から使用している顕微鏡ですが、原理を含めた基本的なことを学んで機器を使う大切さに気付く機会になりました」とコメント。また北條技術専門職員は「顕微鏡の基本調整方法を教えていただいたことで、ユーザーの欲しい鮮明な画像を取得する方法をお伝えできるようにしたいと思います」とコメントしました。
今回の開催について本コースの監修教員であり、総合技術部の本部長である佐藤法仁副理事・副学長・上級URAは「ご多忙のところ、講師をしていただいた株式会社大熊の竹下慎一課長ならびに関係者の皆さまに深く感謝を申し上げます。本学では技術職員を研究者の『支援者』ではなく『パートナー』と位置づけており、『機器共用促進を含む設備整備等の研究環境の質向上と研究に従事する者のパートナーとしての技術職員の人材育成強化』という点を岡山大学研究ポリシーに明記し、研究ファーストの研究大学としての矜持を持って取り組みを進めています。より良いパートナーであるためには高度な知と技が必要であり、また異分野の視点も必要です。今回の分野横断的な知の探究はスキルアップだけではなく、新たな新結合(イノベーション)を生む土壌づくりとも言えます。今後、さまざまな場面を活かし、人材と組織の強化促進を図り、研究力・イノベーション創出強化を図ります」と、今後の取り組みも踏まえてコメントしました。
本学総合技術部は、全学の技術職員の連携を深めるとともに、多様な研修プログラムを通して技術職員のスキルアップを図ることにより、本学の研究・教育・臨床支援の強化を推進していきます。さらに文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)などの事業においても、強みある分野を活かした取り組みを戦略的に推進しています。今後も地域と地球の未来を共創し、社会変革を実現させる地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の絶え間ない変化と挑戦と、それを担う技術職員の活動にどうぞご期待ください。
※TCカレッジ
令和3年度から東京工業大学で始まった技術職員を対象とした高度人材育成のためのプログラムで、高い技術力・研究企画力を持つ技術職員をテクニカルコンダクター(TC)として認定する制度です。本学も参画しており、本年度は「医工系コース」を本学が本格運用しています。
<参考>
・TCカレッジ岡山大学サテライト校「医工系コース」開講 ~技術職員の「高度専門人材養成」を強化促進~
・TCカレッジ岡山大学サテライト校医工系コース中級カリキュラム「生物系走査型電子顕微鏡(基礎)」を実施
・TCカレッジ岡山大学サテライト校医工系コース中級カリキュラム「生物系透過型電子顕微鏡(基礎)」を実施
・研究現場の生の声を聞き技術職員のスキルアップを図るTCカレッジ「医工系コース」での研究室見学を実施
・研究現場の生の声を聞き技術職員のスキルアップを図るTCカレッジ「医工系コース」での鹿田キャンパス研究室見学(第2弾)を実施
・「岡山大学TCカレッジ医工系コース」2024年度カリキュラムを始動~技術職員の知識・技術力の向上を目指し「高度専門人材養成」を強化促進~
【本件問い合わせ先】
岡山大学総合技術部 医学系技術課(医工系コース担当)阿部匡史
E-mail:abe◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えてください。
総合技術部HP
令和6年度岡山大学TCカレッジ医工系コース中級カリキュラム「生物系各種光学顕微鏡(基礎)」を実施
2024年08月01日