本学学術研究院医歯薬学域(医)組織機能修復学分野の高尾知佳講師が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和6年度再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム(再生・細胞医療・遺伝子治療研究開発課題(基礎応用研究課題))」に採択され、6月25日にAMEDのホームページに掲載されました。
本事業は、将来的な再生・細胞医療・遺伝子治療の実現及びそれらに資する技術の開発を目指す基礎研究・応用研究を支援するものです。革新性や独創性、新規性の高い、多様な優れた研究や挑戦的で科学的・技術的意義の高い研究を支援し、本分野の裾野を広げるとともに、科学的根拠の裏付けをもって将来的に臨床研究・治験に活用され実用化につながる可能性が見込まれる幅広い研究シーズの育成を図ることなどを目標としています。
高尾講師は同事業の若手研究者枠において、「ヒト軟骨前駆細胞を利用した気道狭窄疾患再生医療等製品の開発に向けた基礎研究」という研究開発課題名のもと申請し、51件の中から採択された6件のうちのひとつに選ばれました。令和6~8年度までの3年間、研究開発代表者(チームリーダー)として研究チームを率いることになります。
採択を受けて高尾講師は、「今回、初めてAMED若手枠の新規課題として採択していただきました。私たちの研究は、ヒトiPS細胞から発生 学的な観点で軟骨前駆細胞を誘導できたことをきっかけに、さまざまな形状の軟骨組織を作製できるようになりました。宝田剛志教授をはじめ、当研究室やさまざまな共同研究グループの先生方のご支援を得て、この軟骨再生技術を用いて患者さまへ再生医療等製品としてつなげられるように、現在軟骨作製において問題となっている観点を基礎研究から突き詰めて臨床応用へ繋げていくことが課題となっています。この研究テーマに含まれる基礎的課題は、研究室が一丸となって取り組んでいる課題であり、これらの解明により、軟骨の発生学的な知見を発展させ、さらに軟骨再生の臨床への応用が期待できると考えています。この3年間で臨床応用が可能な気道狭窄疾患再生医療等製品開発の基盤となる研究ができるよう、一丸となって取り組んでいきたいと考えております」とコメント。3年間の研究活動に意欲を見せました。
本学では研究分野における「最重点研究分野」を定めており、そのひとつにヘルスケア分野があります。また本学が採択を受けている文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)でも社会変革を起こし、ヘルスケアを含めたウェルビーイングの向上等を戦略的に進めています。さらに高尾講師が本事業で採択された若手研究者枠のように、次世代の科学技術・イノベーションを担う優秀な人材を育成し、本学の研究力向上・イノベーション創出強化につなげるだけではなく、社会変革を牽引する自負と矜持を持って研究活動を行う人材を、わが国にひとりでも多く活躍できるようにしていければと思います。どうぞ高尾講師と地域中核・特色ある研究大学:岡山大学の取り組みにご期待ください。
【本件問い合わせ先】
学術研究院医歯薬学域(医)組織機能修復学分野 講師 高尾知佳
E-mail:ttakao◎okayama-u.ac.jp
※@を◎に置き換えています。
http://regsci.mdps.okayama-u.ac.jp/
高尾知佳講師(医)がAMED「令和6年度再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム(再生・細胞医療・遺伝子治療研究開発課題(基礎応用研究課題))」に採択
2024年07月12日