本学は4月20日、本学の強みである医療系分野の研究成果について、革新的な基礎研究や臨床現場、医療産業等に結びつく成果を英語で情報発信するWebレター「Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU)」のVol.39を発行しました。
2012年より本学では、研究成果や知的財産活動などを英語で情報発信するWebマガジン「Okayama University e-Bulletin」を年4回発行。国際科学雑誌「Science」を扱うAAAS(米国科学振興協会)のメーリングリストを利用し、世界の研究者等にニュースやトピックスを交えて配信し、本学の海外への情報発信を強化と国際的知名度の向上を推進しています。
OU-MRUは、e-Bulletinの姉妹誌として、強みある医療系分野の更なる増強と本学研究者が同分野で発表したイノベーティブな研究成果を世界にタイムリーに発信するために発行しています。
本号では、大学院医歯薬学総合研究科(医学系)眼科学分野の松尾俊彦准教授と大学院自然科学研究科(工学系)高分子材料学研究室の内田哲也准教授の医工連携研究が進めている、岡山大学方式人工網膜「OURePTM」がラットの視覚を回復することを視覚誘発電位によって初めて証明した研究成果について紹介しています。
OURePTMは、色素結合薄膜型の人工網膜であり、2013年にアメリカで販売開始されたカメラ撮像・電極アレイ方式とはまったく異なる技術の“世界初の新方式”です。現在、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と薬事戦略相談を積み重ね、医薬品・医療機器等法(旧薬事法)に基づく医師主導治験を岡山大学病院で実施する準備を進めています。
治験機器である人工網膜には極めて高い安全性、有効性、品質管理が求められており、研究の種(シーズ)の段階では、患者のもとへ届けることができません。本研究成果によって、人工網膜の有効性がさらに示されたことになり、患者のもとへ届ける医師主導治験の実施への階段を確実にまた一歩上がりました。
本学は、平成25年8月に文部科学省がわが国のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した、「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)です。世界で研究の量、質ともに存在感を示す「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」の構築のため、強みある分野の国際的な情報発信を力強く推進していきます。また、強みある医療系分野から生み出される成果を社会や医療現場が求める革新的技術として、より早く届けられるように研究開発を推進していきます。
なおOU-MRUは、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されています。
Okayama University Medical Research Updates(OU-MRU) Vol.39:Successful test of retinal prosthesis implanted in rats
<Back Issues:Vol.32~Vol.38>
Vol.32:Enzyme target for slowing bladder cancer invasion (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)竹田哲也助教)
Vol.33:Attacking tumors from the inside (大学院医歯薬学総合研究科(医学系)藤原俊義教授)
Vol.34:Novel mouse model for studying pancreatic cancer (大学院自然科学研究科(工学系)妹尾昌治教授)
Vol.35:Potential cause of Lafora disease revealed (大学院自然科学研究科(工学系)佐藤あやの准教授)
Vol.36:Overloading of protein localization triggers cellular defects (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)
Vol.37:Protein dosage compensation mechanism unraveled (異分野融合先端研究コア 守屋央朗准教授)
Vol.38:Bioengineered tooth restoration in a large mammal (大学院医歯薬学総合研究科(歯学系)窪木拓男教授)
<参考>
Okayama University e-Bulletin:http://www.okayama-u.ac.jp/user/kouhou/ebulletin/
【本件問い合わせ先】
広報・情報戦略室
TEL:086-251-7293
E-mail:[email protected]
(17.04.28)